ごちゃつきやすい自律神経系、スッキリまとめる方法とは?

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この記事では、「自律神経系」について解説していきます。

薬理学を学ぶ上で、薬の基礎に入る自律神経系。2つの神経で作用が異なる事から頭がごちゃごちゃになりやすい事よくありますよね。薬理学を学ぶ前に自律神経系をしっかり覚えておく事で、薬理学の学びがスムーズになります!

 

●交感神経、副交感神経それぞれの体の作用が整理できない!

●自律神経系に作用する薬が中々覚えられない!

こんな風に悩んでいる方いるんじゃないでしょうか?私自身も、薬理学を学ぶ上で1番最初にぶつかった壁でした。

実際に自分の体で考える事で理解がしやすくなり、その後出てくる薬も覚えやすくなります!

 

今回の記事は

●薬理学が苦手な薬学部生(医療学部生)

●これから薬理学を学ぶ学生

に、読んでもらいたいです。

できるだけ噛み砕いて解説していきますので、ぜひ最後まで読んで薬理学の基礎である自律神経系をマスターしちゃいましょう!

 

 

1.自律神経とは?

神経系は以下のように分類されます

中枢神経系
末梢神経系 性神経系 運動神経
感覚神経
自律神経 交感神経
副交感神経

 



自律神経系は、血圧、呼吸、消化・吸収等の体内の活動を「自律的=無意識に行う神経」です。

大きく交感神経系と副交感神経系という2つの神経系で構成されていて、二つの神経で以下の働きをしています。

◆自律神経系の働き◆  血圧の調節 心拍数の調節 胃腸管の調節 気管支の調節 膀胱の調節 

このような体の機能の調節を行っております。

すなわち、自律神経系に作用する薬は以下の治療に用いられます。

◆自律神経系に作用する治療◆
  • 血圧の調節 →高血圧の治療
  • 心拍数の調節→心不全に治療
  • 胃腸管の調節→胃潰瘍の治療
  • 気管支の調節→気管支喘息の治療
  • 膀胱の調節→過活動膀胱の治療

このように、自律神経系に作用する薬はとても多いのです。

冒頭でもお伝えしたように、薬理学を学ぶ前に自律神経系をしっかり覚えておく事で、薬理学の学びがスムーズになります!

自律神経系を中途半端に覚えて薬理学の勉強を進めるのは、土台がしっかりつくれていない為、後の学習も中途半端になります。

逆に自律神経系の理解をしっかりしていれば、自然と薬理学の成績は伸びます。

2.イメージで簡単!自律神経の覚え方

自律神経を整理するポイントは

・それぞれのアクセルブレーキ、どちらが優位に働くのかを考える。

・実際の自分の体に置き換えるてイメージする。

 

交換神経・副交感神経の作用は以下のようになります。

交感神経

 

副交感神経

散瞳

眼の瞳孔

縮瞳

拡張

心臓

抑制

拡張

気管支

抑制

収縮

血管(骨格筋)

抑制

血管(腹部全体)

抑制

胃腸管

促進

弛緩(畜尿)

膀胱

収縮(排尿)

促進(発汗)

汗腺

 

これだけでは、イメージがわきづらいです。

二つの神経は以下の時に優位になります。

      • 交換神経

→活発な興奮状態・精神的・肉体的に活動を向上させる

      • 副交感神経

→休息時・安静時に働く。エネルギーの蓄積

さらに自分の体に置き換えてイメージしやすいように考えましょう。

自律神経をイメージするコツ!
  • 交感神経→びっくりした時、運動しているとき
  • 副交感神経→寝ている時

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いかがでしょうか。かなり自分でイメージしやすくなったんじゃないでしょうか?

それぞれ、上記の状態の時にどう作用するのかを考えると以下のようになります。

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それぞれの神経ごとの作用を忘れてしまっても、 

      • 交感神経びっくりした時、運動しているとき
      • 副交感神経寝ている時

 

このイメージを持っておけば、自分でイメージして思い出すことができますので丸暗記する必要がなくなります。

 

3.受容体ごとの覚え方のコツ、今日から使えるゴロ合わせ

 

 交感神経・副交感神経のそれぞれの作用が覚えられたら、次にそれぞれの受容体について理解しなければなりません。

受容体を覚えるコツ

Gタンパク質から考える

分布部位から考える

 

【交感神経受容体】f:id:to_be_phm:20210214140836j:image

 


【副交感神経受容体】 

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受容体のタイプはGi、Gs、Gqタンパク質に分けられます。

Gタンパク質から考える

ここで、

【Giタンパク質共役型】

iはinhibitory(抑制)のi。すなわち、Giタンパク質の受容体は抑制作用があります。

の作用をするイメージをもっておくといいでしょう

従って、Giタンパク質は副交感神経受容体に多いです。

 

【Gsタンパク質共役型】

Sはstimulation(活性化)のS。すなわち、Gs タンパク質の受容体は収縮や亢進作用があります。+の作用をするイメージをもっておくといいでしょう

従って、Gsタンパク質は交感神経受容体に多いです。

 

 【Gq タンパク質共役型】

Gqタンパク質は様々な作用があります。Gqタンパク質に対しては、以下のゴロで覚えておくと便利です。

Gqタンパク質ゴロ

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分布部位から考える

分布部位からも受容体を覚えることができます。

◎α受容体ゴロ

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◎β受容体ゴロ 

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ムスカリン受容体ゴロ

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 ぜひ、使ってみてください!

以上のコツを抑えて、覚えていきましょう!

また、受容体については、薬理学で何度も触れるため、アウトプットで身に着けることもできますので、焦らずにポイントを抑えることで着実に理解していくことが大切です。

 

4.【ごちゃつきやすい自律神経系、スッキリまとめる方法とは?】まとめ

 

自律神経を整理するポイント  

それぞれのアクセルブレーキ、どちらが優位に働くのかを考える。

実際の自分の体に置き換えるてイメージする。

  • 交感神経びっくりした時、運動しているとき
  • 副交感神経寝ている時 

≪受容体を覚えるコツ≫

Gタンパク質から考える

Gi:の作用をするイメージ 

Gs:+の作用をするイメージ

分布部位から考える

ゴロを参照

 

 

自律神経系は実際に自分の体に置き換えてイメージすることで、理解がスッキリまとまりやすくなりますので、ぜひこのイメージで覚えてしまってくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薬理学が苦手な薬学生注目!薬理学を攻略する3つのポイント

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今回は、薬理学が苦手でなかなかテストでいい点がとれないあなたのために、薬理学を理解しやすくするために抑えておいてほしい3つのポイントについてお話していきたいと思います。

薬理学はカタカナが多くて、作用機序や似たような名前を覚えるので、暗記、暗記で覚えるのが大変ですよね。国家試験でも薬理学は問題数が最も多い分野だからこそ、しっかりいい点をとっておきたいですよね。

 

●授業では教科書を読むだけで薬理学の学び方やポイントがわからない!

●薬理学がただの暗記でつまらない!

 

こんな悩みをお持ちの方、多いんじゃないでしょうか。私も薬理学以外の科目の勉強や課題があったので、テスト前に薬理学は暗記するだけになっていました。

ですが、ポイントを抑えることで薬理学は学びやすくなり、ただの暗記ではなくなります。私自身、ただの暗記では無くなったので、薬理学の勉強は苦ではなくむしろおもしろいと思えるようになりました。

 

この記事では、
• 薬理学が苦手な薬学生(医療系学部生)
• これから薬理を学ぶ学生
が最初の一歩でつまずかないよう、薬理学を学ぶ時に抑えておきたいポイントについてお伝えしていきます。

この記事を読んで少しでも薬理学を楽しく勉強できるようになっちゃいましょう!
最後まで楽しんで読んでくださいね!

 

 

1.薬理学ってどんな分野?

 

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薬理学は「薬を用いての生体の機序を研究する学問」「薬の作用機序を研究する学問」と言われておりますが、薬学部とそれ以外の医療系学部でニュアンスが異なります。

 

なかでも薬学部では、「医薬品がどのように患者さんの体で作用するのか」を学べる分野であり、簡単に言うと「どうして薬が効くのか」を考える科目です。

したがって、薬理学は薬学の本質に迫る重要な分野といえます。

薬剤師国家試験では、他のつまづきやすい物理・化学よりも問題数が多く、全体の10%をしめていて出題数が多いです。

 

薬理学はポイントを押さえて覚えることで、効率よく覚えることができるだけでなく、一度忘れてしまっても、CBTや国試前に同じポイントで覚えることですぐに学習した内容を思い出すことができます!

 

 

2.薬理学を得意にするポイント

2.薬理学を得意にするポイント

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薬理学を得意にするポイントは以下の3つです 

生理学、病態をよく復習する

受容体についてよく理解する

薬の名前の意味をよく理解する

 

2-1.ポイント①:生理学、病態をよく復習する

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薬❛❛理学❜❜とあるように、もともと薬理学は、生❛❛理学❜❜の講座が分かれて新しく誕生した分野です。

生理学が人間のもともとの体の機能を学び、

病態が人間の体が異常な状態について学ぶのに対して、

薬理学は人間の体が異常な状態からもともとの体の状態に戻すために薬がどう効果を示すのかかを学びます。


生理学で元々の人間の機能を理解して、人間の普段の活動がどう行われているのかわかったり、病態で異常な場合はどの機能が悪いのか理解することで薬理学が理解しやすくなります。

そもそも、生理学や病態が苦手だと、その応用である薬理学も苦手になってしまいます。

薬理学が苦手ならば、前段階の基礎である生理学や病態学の理解が足りていない可能性があるので、その2科目をしっかり復習しましょう。

 

2-2.ポイント②:受容体についてよく理解する

医薬品のほぼすべてが、酵素や受容体の機能を調整することにより、作用を示しています。例)α1、β1、β2、GABA...

従って、「それぞれの受容体についてよく理解する」ことが重要になってきます。

どの受容体を刺激すると体はどうなるのか、逆にその受容体をブロックすると体はどうなるのかを考えると医薬品が理解しやすくなります。

 

2-3.ポイント③:薬の名前の意味をよく理解する

医薬品の名前は、カタカナだらけで似たような名前が多くてごちゃごちゃになりやすいですよね。

医薬品のカタカナの意味をよく理解することで、丸暗記をする必要がなくなります。

◆薬の名前の意味の例◆  

~スタット(例:ナファモスタット、カモスタット)

酵素阻害薬。スタットは酵素を阻害する意味。

~スタチン(例:ロスバスタチン)

→HMG-CoA還元酵素阻害薬。最初に見つけたメバスタチンに敬意を示してつけられた

~ibがつく薬(セレコキシブ、イマチニブ)

→阻害(inhibitor)を意味する。セレコキシブはCOX2阻害薬であるのでーCOXib(コキシブ)。イマチニブはチロキシンキナーゼ阻害薬であるので-tinib(チニブ)がつく

まだまだ、名前に意味があるものはたくさんあります。この意味を理解することで、薬名を丸々暗記しなくても問題が解けるようになるだけでなく、一度忘れてもすぐに思い出すことができます。

今回紹介していない薬の名前の意味については他の記事で分野ごとに解説していますのでぜひ読んでくださいね!

 

3.【薬理学が苦手な薬学生注目!薬理学を攻略する3つのポイント】まとめ

 

薬理学攻略の3つのポイントはこちらです。

薬理学攻略ポイント! ①生理学、病態をよく復習する
②受容体についてよく理解する
③薬の名前の意味をよく理解する

薬理学が苦手なあなたにとって、薬理学を学ぶだけで大変なのにさらに深いところまで暗記しないといけないじゃん。と思うかもしれません。

一見暗記量や学習量が増えたように見えても、このポイントを抑えて勉強することで日々の暗記量は減り、理解しやすくなるでしょう。

 

最初は1つのポイントだけを絞ってチャレンジするでも構いません。

慣れてきたらギアを上げていきましょう。

 

薬理学を苦手から得意に変えて他の友達にテスト前も余裕ぶっこいてやりましょう!