交感神経を刺激する薬 わかりやすく解説!
この記事では「交感神経刺激薬」についてわかりやすく解説していきます。
薬理学を勉強し始めて最初に学ぶ薬の1つといえる「交感神経刺激薬」。
●薬の特徴の違いががよくわからない!
●名前と作用が一致しない!
こんな悩みはありませんか?
交感神経を刺激する薬は、似たような薬が多くかぶりがちで整理がしにくいですが、正しい考え方で理解できればそこまで薬の数は多くありません。
この記事では
- これから薬理学を学ぶ学生
- 自律神経に作用する薬が苦手な学生
に読んでもらいたいです!なるべく噛み砕いて解説しますので、最後までしっかり読んで理解しましょう!
1.交感神経刺激薬はどうやって体に効くの?
交感神経は、アドレナリンという物質が受容体を刺激して体の中で様々な働きをします。
したがって、交感神経刺激薬はその名の通り「交感神経」を「刺激」する薬であることから、言い換えると、「アドレナリンを多く放出させる薬」だといえます。
このポイントを抑えるだけでスラスラと薬の作用の流れが理解しやすくなります。
✔アドレナリン放出までの流れをよく理解する
アドレナリンは一連の流れをもって体で働いています。
生成→分泌して、受容体にくっついた後、分解もしくは再度細胞膜に取り込まれてもう一度生成されます。
まずは、この流れを理解できればOKです。
✔生成→分泌→回収/分解の流れのどこに作用するのかを理解する
次に、この流れの中でどの部分に作用するのかを理解していいきましょう。まずはここまでを丸暗記でなく、理解することが大切です。
✔完璧に覚える必要一切ナシ!ざっくりとでOK
以上の流れと分類の理解は完璧に丸暗記する必要はありません。
ざっくりと全体像がつかめればばっちりです。
2.分類別!交感神経刺激薬をわかりやすく解説!
l2-1直接型
これはそのまま覚えましょう!作用機序は、「アドレナリンが欲しいなら、アドレナリン(やそれに似ている物質を)を体に入れればいいんでしょ。」これだけです(笑)
<
直接型の作用は以下のようになります。
メチル基(CH3)が増えると、β作用が強くなっているのがわかりますね。
丸暗記ではなく、ポイントを抑えるとこの表の理解が速くなります。
それぞれの受容体に選択的に(それだけに)作用する非カテコールアミン薬も
✔α受容体、β受容体それぞれの体での働きを復習する ことが重要です
自律神経系の受容体それぞれの体での働きは以下の記事を参考にしてみてくださいね。
l2-2間接型
チラミン(間接型)
アドレナリンが再取り込み(回収)される部位:NAT
(ノルアドレナリントランスポーター)から入る
→結果的にアドレナリンのような作用をする
●構造がアドレナリンに似ているところに注目!
似てるから、NATや受容体がアドレナリンだと間違えちゃうんですね(笑)
副作用
MAO阻害薬、チーズと一緒に服用→高血圧を起こす
MAOは、チラミンの分解を行う酵素です。
チラミンが増えすぎてしまう→血圧上昇
l2-3混合型
混合型では、覚せい剤の原料になったり、生薬に入っているエフェドリンがあげられます。
エフェドリン 混合型
作用の強さ→間接作用>直接作用
→血圧⇧(α1) >心拍出量⇧(β1)
・中枢興奮作用(血液脳関門を通過)→副作用になりうる
・気管支喘息の治療
副作用
中枢興奮による不眠→頭が興奮状態で寝れない
※血液脳関門:血液が脳まで行く道にある門(ゲート)
3.薬名は全部覚える必要なし!簡単!薬の覚え方!
薬名はたくさんあってごちゃごちゃになって、わからん!覚えられん!
って頭かかえていませんか?薬名は全部覚える必要なんてありません。ポイントを抑えるだけで十分です。
ゴロもぜひ使ってみてくださいね!
【合わせて覚えよう】
β1受容体遮断(ブロック)薬→語尾にお行+ロールがつく
○○お行+ロール
例)ビソプロロール、アテノロール
間違えやすいので注意!
刺激(+の作用)→○○テロール
遮断(−の作用)→○○お行+ロール
薬の名前がなかなか覚えられない人、薬名は全部覚えようとせずにグループごとに語尾から覚えていきましょう。その後で余裕ができたら、細かい点を補足していけばOKです。
4.【交感神経系を刺激する薬をわかりやすく解説!】まとめ
これらの薬に限った話ではないですが、ただ薬の名前や作用を暗記することは膨大な暗記量になるので大変です。
薬が体でどのように効くのかをざっくりでいいので理解する事、薬の名前は一部から覚えていくことが重要です。
ただ暗記するだけだと退屈なので、自分自身でオリジナルのゴロを作ってみると面白いかもしれません(笑)薬理学は薬の物知りさんになれる科目です!
今回の内容をよく復習してポイントをしっかり押さることで知識に定着させて、短時間で効率的にテストでいい点を狙いに行きましょう。