今日で一気に整理!交感神経遮断薬をわかりやすく解説!

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この記事では、「交感神経遮断薬」について解説していきたいと思います。

薬理学を勉強し始めて最初に学ぶ薬の1つである「交感神経遮断薬」。

「交感神経刺激薬」と逆の作用をするからこそ、合わせて覚えてしまいましょう!

 

この記事では

 これから薬理学を学ぶ薬学生(医療系学生)

 自律神経系に作用する薬が苦手な学生

に読んでもらいたいです。

 

過去の記事を読んでから先に進むとより理解度が深まるのでぜひ読んでみてください。

【過去の記事】 

ごちゃつきやすい自律神経系、スッキリまとめる方法とは? - 薬ブロ.com

交感神経を刺激する薬 わかりやすく解説! - 薬ブロ.com

 

 

 

 

1.交感神経遮断薬はどうやって体にきくの?

交感神経遮断薬は別名抗アドレナリン薬とも呼ばれます。

すなわち、アドレナリンによる神経の伝達をブロックする薬です。

 

交感神経遮断薬の作用の考え方ポイント!  

イメージで簡単に交感神経の伝達の全体像をとらえよう!

どこをブロックしているのかを考えよう!

 

このポイントを抑えるだけ。注目すべきは、「簡単に」イメージすることです。

下の画像を見てください

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神経の流れは、糸電話での会話だと思ってください。

話しているときの声:アドレナリン

話している男の子:アドレナリンを伝える神経線維

聞いている女の子:アドレナリンをキャッチする受容体(α、β受容体)

 

ここまでイメージできましたか?これだけで「簡単に」薬を理解できます。

では、アドレナリンの伝達をブロックしたい=糸電話の会話をブロックしたい

こう考えましょう。

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話している男の子の口をふさいでしまいましょう。話したくて声が届きませんね

これが、アドレナリン作動性神経遮断薬です。

交感神経の末端で、アドレナリンの分泌をブロックすることで抗アドレナリン作用を示します。

 

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では、話を聞いている女の子の耳をふさいだらどうなるでしょうか。聞きたくても声が聞こえませんね。

これが、アドレナリン受容体遮断薬です。

交感神経の受容体をブロックすることで抗アドレナリン作用を示します。これには、α受容体とβ受容体それぞれの受容体ごとに遮断薬があります。

 

 糸電話の会話をブロック!これだけ覚えておけば、後は忘れても考えるだけでわかりますね。

2.分類別!交感神経遮断薬のポイントをわかりやすく解説

 

l2-1アドレナリン作動性神経遮断薬

アドレナリン作動性神経遮断薬は、前述した男の子の口をふさぐ方法すなわち、アドレナリンの分泌を止めることで交感神経の伝達をブロックしていますね。

以下の薬があります。

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l2-2アドレナリン受容体遮断薬

アドレナリン受容体遮断薬は、前述した女の子の耳をふさぐ方法すなわち、受容体をブロックすることで交感神経の伝達をブロックしていますね

 

受容体といったら、以下のポイントを抑えましょう

アドレナリン受容体遮断薬のポイント!

α受容体、β受容体それぞれの体での働きを復習!

選択性、非選択性の意味を考えよう!

 

 α受容体、β受容体それぞれの体での働きを復習!

受容体をブロックするから、普段の受容体の作用の逆になるだけです。

これだけで、作用はすぐ覚えられます。

 

受容体ごとの作用

◎α受容体遮断

α1遮断→血管収縮のブロック→血管拡張(高血圧に使う)

α2遮断→フィードバック抑制のブロック→アドレナリン分泌

◎β受容体

β1遮断→心機能の活動upをブロック→心機能抑制(不整脈や高血圧に使う)

β2遮断→気管支の拡張をブロック→気管支収縮

 

 

選択的、非選択的の意味を考えよう!

選択性とは、それだけに作用するという意味です。

したがって、非選択性は両方に作用してしまいます。ここに注意しましょう

 

◎α受容体遮断薬

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フェントラミンの副作用は非選択性であるからおきる!

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◎β受容体遮断薬

f:id:to_be_phm:20210114093724j:imageβ2遮断により気管支が収縮する(縮まる)ので気管支喘息の人には使用禁止

 

3.薬名は語尾に注目!簡単な薬の覚え方!

 

薬の名前の覚え方のポイントを知っていますか?交感神経刺激薬の記事を読んでくれた人はもうわかりますね?

薬名は全部覚える必要なんてありません。ポイントを抑えるだけで充分です。 

薬の覚え方ポイント! 名前の語尾に注目!いわゆる苗字!語尾だけ覚えればOK

 

 あとすこしです!それでは覚えていきましょう!

 

◎非選択的α受容体遮断薬 

語尾にア行+ミンがつく!○○ア行+ミン

 これは英語にすると○○amine です。そうです、この薬たちは全部N(窒素原子)がついておりアミン物質に分類されるので、語尾が○○ア行+ミンになります

エルゴタミン、フェントラミン

 

◎選択的α1受容体遮断薬 

語尾にゾシンがつく!○○ゾシン

プラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン、テラゾシン

 

◎β受容体遮断薬 

語尾にお行+オールがつく!○○行+オール

プロプラノロール、チモロール、カルテオロール(非選択的β受容体遮断薬)

 アテノロール、メトプロロール、ビソプロロール(選択的β1受容体遮断薬)

注意!ニブラジオールは、い行+オールで終わるが、非選択的β受容体遮断薬!

 

 

【合わせて覚えよう】

β1受容体刺激薬→語尾にテロールがつく!○○テロール

ツロブテロール、サルメテロール

間違えやすいので注意!

刺激(+の作用)○○テロール

遮断(−の作用)○○お行+ロール

 

薬の名前がなかなか覚えられない人、まずはグループごとに語尾から覚えていきましょう。薬の苗字だけでOKです。フルネームで覚えるのは、その後で余裕ができたらで大丈夫です。

 

4.【今日で一気に整理!交感神経遮断薬をわかりやすく解説!】まとめ

 

交感神経遮断薬ポイント!

交感神経遮断薬の作用の考え方ポイント!

イメージで簡単に交感神経の伝達の全体像をとらえよう!

どこをブロックしているのかを考えよう!

アドレナリン受容体遮断薬のポイント

α受容体、β受容体それぞれの体での働きを復習!

選択性、非選択性の意味を考えよう!

 薬の覚え方のポイント!

名前の語尾に注目!いわゆる苗字!語尾だけ覚えればOK

 

交換神経遮断薬は、反対の作用の刺激薬よりも薬が少なく覚えやすいと思います!

今回の内容をよく復習すれば、交感神経に関する2つの薬が整理できます。

よく頭に定着させてテストでいい点を狙いにいきましょう!