副交感神経を刺激する薬 わかりやすく徹底解説!

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この記事では、「副交感神経を刺激する薬」について解説していきます。

 

交感神経と合わせて勉強する副交感神経。最初に学ぶ薬であるからこそ、しっかり理解することで薬理に対する苦手意識を少しでも変えていくことができます。

薬理学では、ただ漠然と暗記になってしまい、テスト前にオール...なんてこともありますよね。

しかし、重要なポイントを理解することで、「覚える」のではなく少し考えるだけで「思い出せる」状態にすることができます!

 

この記事では、

・これから薬理学を学ぶ薬学生(医療系学生)

・自律神経系に作用する薬が苦手な学生

そんな方に読んでもらいたいです!

理解すべき重要なポイントを解説していきますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

副交感神経刺激薬の基本的な考え方は、交感神経刺激薬と似ていますので、過去の記事を読んでから進むと理解がしやすいと思います。

 【過去の記事】

ごちゃつきやすい自律神経系、スッキリまとめる方法とは? - 薬ブロ.com

交感神経を刺激する薬 わかりやすく解説! - 薬ブロ.com


 

1.副交感神経刺激薬はどうやって体に効くの?

 

副交感神経は、アセチルコリンという物質が受容体を刺激して体のなかで様々な動きをしています。

副交感神経刺激薬は別名コリン作動薬と呼ばれます。すなわち、「副交感神経」を「刺激」するためにアセチルコリンを多く放出させる薬」だといえます。

副交感神経刺激薬の作用の考え方ポイント!  

ニコチン様作用とムスカリン様作用があることを理解しよう

アセチルコリン放出までの流れをよく理解する

生成→分泌→分解の流れのどこに作用するのかを理解する

作用の流れを完璧に覚える必要なし!ざっくりとでOK

 

 ニコチン作用とムスカリン作用を理解しよう

 

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アセチルコリンの働きは、2つの受容体に作用することで、2種類の作用が起こります。作用から逆算してどちらの受容体を刺激したいのかを考えることが重要です。

 

アセチルコリン放出までの流れをよく理解する

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アセチルコリンは一連の流れを持って体に作用しています。

生成→分泌→分解の流れを抑えましょう。

交感神経を刺激するアドレナリンは、分泌の後、分解の他に再取り込みがありましたが、アセチルコリンはありません。

 まずは、この流れを理解できればOKです。

 

生成→分泌→分解の流れのどこに作用するのかを理解する

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次に、この流れの中でどの部分に作用するのかを理解していきましょう。まずはここまでを丸暗記ではなくざっくりと頭で理解する事が大切です。

 

◆薬の分類◆

直接型:受容体に直接作用

間接型:アセチルコリンを分解する酵素コリンエステラーゼ(ChE)をブロック

 

 

作用の流れを完璧に覚える必要なし!ざっくりとでOK 

交感神経刺激薬を学ぶ事と同様に副交感神経刺激薬も、作用の流れをざっくりとつかめておけばバッチリです。

自律神経系刺激薬を学ぶ時には、作用の流れをざっくりと理解しておきましょう。

2.分類別!副交感神経刺激薬のポイントわかりやすく解説

 

l2-1 直接型

 

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これはこのまま覚えましょう。

作用機序は、アセチルコリンが欲しいなら、アセチルコリン(もしくはそれに似た物質)を体に入れればいいんでしょ。」これだけです。

交感神経刺激薬の直接型と非常に考え方は同じです。交感神経刺激薬の場合はアドレナリンを直接入れています。

◎合成コリンエステル剤

合成コリンエステル類のポイント! 

CH3(メチル)基があるとニコチン作用⇩

COCH3(アセチル)基→CONH2(カルバモイル)基に変えるとコリンエステラーゼの分解作用を受けにくい

 

 

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構造をよく見ながら、ポイントをおさえながらこの表を理解しましょう。

 

 

【合わせて覚えよう】

直接型交感神経刺激薬 

カテコールアミン類

✔CH3(メチル基)がついたら

β作用⇧

直接型副交感神経刺激薬

合成コリンエステル類 

✔CH3(メチル)基がついたら

ニコチン作用⇩

 

 

◎その他の直接型

ピロカルピン

緑内障の治療、縮瞳作用

 

l2-2間接型

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分解に作用するコリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンの分解をブロックすることで、間接的にアセチルコリンの量の作用を強めていますね。

か間接型コリン作動薬のポイント! 可逆的と非可逆的の違いを抑えよう

 

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可逆的阻害薬:阻害するのをやめる事が可能→再度アセチルコリンを分解できる!

ネオスチグミン、フィゾスチグミン、ジスチグミン

非可逆的阻害薬:阻害をやめる事が不可能→アセチルコリンがたまり続ける→呼吸や筋肉が麻痺して中毒症状、死に至ることも

マラチオン、サリン(毒ガス)

 

 サリンは、有名な地下鉄サリン事件の毒ガスですね。コリンエステラーゼ阻害薬は可逆的であるから薬として使用できることが重要です。

 

3.全部覚える必要なし!注目すべき名前の覚え方!

 

覚えにくい薬の名前で爆発しそうになっていませんか?

薬の名前は全部覚える必要なんてありますん。薬はグループごとに覚えてしまえば、そこまで種類は多くないです。一個ずつ覚えずにグループごとに覚えましょう。

 

薬の覚え方のポイント!  名前の語尾に注目!いわゆる苗字!語尾だけ覚えればOK
薬の名前は同じグループで同じ語尾がつく場合が多いです!先ずは、薬の苗字から覚えてあげましょう。
◎直接型合成コリンエステル類 

語尾にコールやコリンがつく!〇〇コリン、○○コール アセチルコリンから連想して考えよう!

ベタネコール、カルバコール、メタコリン

 

◎間接型コリン作動薬可逆型 

語尾にチグミンがつく!○○チグミン ピクミンから連想して覚えよう!

ネオスチグミン、フィゾスチグミン、ジスチグミン

 

 

【合わせて覚えよう】

副交感神経に作用する薬ゴロ

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4.【副交感神経を刺激する薬 わかりやすく解説!】まとめ

 

副交感刺激薬は、作用の考え方は交感神経刺激薬と 非常に似ています。似ているところと異なるところを比較して復習してみてください!必ず力になりますよ。

 

副交感神経を刺激する薬ポイント!

副交感神経刺激薬の作用の考え方ポイント!

 ニコチン作用とムスカリン作用を理解しよう

アセチルコリン放出までの流れをよく理解する

生成→分泌→分解の流れのどこに作用するのかを理解する

作用の流れを完璧に覚える必要なし!ざっくりとでOK

 

合成コリンエステル類のポイント!

CH3(メチル)基があるとニコチン作用⇩

COCH3(アセチル)基→CONH2(カルバモイル)基に変えるとコリンエステラーゼの分解作用を受けにくい

 

薬の覚え方のポイント!

名前の語尾に注目!いわゆる苗字!語尾だけ覚えればOK

 

副交感神経系を刺激する薬について理解できましたか?この記事を読んで復習予習することで、テスト前の勉強はずっと楽になります!

いま始めるか、テスト前にオールしまくるかはあなた次第です!

副交感神経を刺激する薬の他に自律神経系に作用する薬を学びたい方はこちらまで

 

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